窓ガラスに高いスペックが必要な理由
窓ガラスが結露する原因は、もちろん他のページでご説明のように一枚ガラスが「断熱性能がない」ということだけでなく、じつは室内環境が大きく関与しています。
窓ガラス結露に影響する室内環境
1、窓周りの空気の動き・・・窓ガラスが結露する、または結露が酷くなる原因の一つに、窓周囲の「対流現象」があります。対流現象とは、空気の温度変化や表面張力などが原因で、重力によって空気が流動する現象です。 これが無限に繰り返されることで、ひどい結露が発生するのです。 例えば、下部に滞在する湿度を保有する空気が冷たい窓ガラスに触れて水蒸気を結露として放ち、軽くなった空気は上昇します。すると気圧の原理で上部にあった空気が重力により動き、室内の水蒸気を吸湿して下降、そしてまた結露を発生する仕組みです。
2、室内の間取り・・・戸建でもマンションでも、間取りと開口部(窓)の場所によって、換気抜けの良い間取りとそうでない間取りがあります。換気抜けの良い間取りは、ドレン排除され出て行き室内湿度は一定に保たれますが、換気抜けの悪い間取りの場合には水蒸気をもった重い空気が室内下部に滞在するため室内湿度は上昇するわけです。 特に気密性能の高いマンションなどは、間取りや開口部が対角同士にない場合など、窓を開放しても効率よく湿度が下がらないため窓ガラスの結露がひどくなるのです。
3、換気の習慣・・・どんな住まいであっても、住む人の習慣によって室内湿度環境が異なります。同じマンション、階高違い同方位の住まいでも結露のひどいお部屋と、結露にさほど困っていないという両極端な事例が少なくないのです。 換気といえば、寒い冬場に換気なんてとお思いと思います。 しかし、室内湿度が急激に上がるタイミングで換気を心がける場合とそうでないのとは大きな違いがあります。入浴後、湯船をはったまま朝を迎える場合に換気のため、浴室の窓を開けたとしても外気が流入し、浴室の多湿の空気が室内側へーバーフローするだけ、使い方で余計に結露を酷くしているのです。
4、家具の配置・・・窓周りの家具やカーテンの配置で結露が酷くなることもよくある事例です。窓を覆うような家具の配置状況や、お部屋の広さに対して家具やものが多い場合、大抵結露にお困りの方が多いです。 カーテンやロールスクリーン、シェードの設置も窓ガラスに接近していたり、窓枠ごと覆ってしまう設置状況の場合、対流現象で結露が増え、乾かないことでカビが発生します。
このように、窓ガラスの結露は窓ガラス自体の性能以外にも環境的要因が強く、ガラスメーカーの「結露が発生する外気温」データよりも、強い性能が求められます。 窓ガラスをペアガラスに交換する場合、高い断熱スペックが必要な理由はここにあります。
住宅の窓に関するお客様のお悩みランキング
第一位 窓の結露が酷くて困っている
冬場寒くなってくると、窓ガラスが結露することはどんな方でも体験したことがあると思いますし、 またどんな窓も結露を起こします。結露が起こるメカニズムはみなさんご存じの事と思うのですが、 空気中の水蒸気が冷たいガラスに触れる事で、露点凝縮する現象です。窓ガラスがどの程度結露を起こすかは、 本当に様々で同じマンションの同じ側に面した窓であっても各階によって状況はまったく変わるように、 お客様がお困りになっている窓ガラスの結露もうっすらしたものから、全面びっしりの結露までいろいろなレベルがあります。
住宅において窓は私達の生活に必要な空気の取り入れ口であると共に、熱の出入り口ともなります。 壁、天井のようにある程度の断熱措置がとられていないと窓だけが昭和初期の住宅のように取り残されて、 住環境のなかで置いてきぼりの状態になっているのです。
窓ガラスの結露を抑止する為には、断熱性のある窓ガラスが必要となります。断熱性があるという事は熱の出入りを断つ事を意味し、 暖かいお部屋の熱エネルギーを逃がさず、また、外の冷気を伝えない効果で結露を防ぐメカニズムを持つのです。 となればその断熱ガラスの断熱レベルには段階があり、よって結露を抑止できる性能にも限界があるのです。
第二位 冬の窓際が寒い
住宅における窓の断熱性は先進国の中でも日本はその普及率が大きく遅れをとっています。快適な住まいを考えた場合、 熱の出入りが少なく通気性のよい住宅が快適住宅と創造され、壁、床、天井の外皮は強度と断熱性を両立する事が基準となるのですが、 窓(開口部)に関しては、機能性を満たす事が最低条件となり、コストのかかる窓の断熱はとりあえず後回しになっているのが現状です。
壁と窓の熱環流率(U値)の比較でも分かるように、窓は壁に比べて16倍熱の出入りが多い場所です。 冬場の寒い日に暖かくしたお部屋にいるとき、窓際は寒いのに壁際も寒いなとあまり感じないのは、このためです。
外気の冷たい空気が流入すれば、まるで冷蔵庫を開けたように、風は吹いていないのに冷たい空気が下へ舞い降りる事を、
「コールドドラフト現象」と言います。
冷たい空気は湿気を持った重い空気なので、その重みで下へ沈み逆に湿気の少ない暖かい空気が上昇し、
入れ替わる。これらの現象の総称が「対流」と呼ばれます。
テレビのCMなどでよく目にするサーモグラフィーでもわかるように、お部屋の腰下部分の空気層は、 窓などの断熱性の不足による原因で、暖房を使っても冷たい空気で満たされるために、足元が冷えるような状況を引き起こしているのです。
第三位 暖房、冷房が効かない
冷暖房の効きを良くするために、多くの方がエアコン、空調器具の高効率タイプを選んだり、高出力タイプを選んだり、 高性能タイプを選ぶなど工夫をされると思うのですが、供給する機器の性能を上げることも、とても重要ですが、 それと同等以上に重要な事は、エネルギーの浪費を抑える事にあります。
一般的な戸建て住宅を例にした場合、夏場の暑さの出入りは窓から71%、冬場の寒さの出入りの48%は窓から。 このような窓からの浪費分を防ぐ事が、冷暖房の効きを大きく改善する方法なのです。
これらの症状を改善する為に窓ガラス交換をする場合に重視すべきポイント
このような窓の課題を克服する事ができます。
それは窓ガラスのリフォームです。今までの一枚ガラスを断熱ガラスに入れ替える事によって、
性能を向上する事ができるのですが、その種類や構造によってできる幅がかわってきます。
- ポイント1 Low-e膜付きエコガラスを選ぶ
Low-e膜はガラスに特殊金属膜をコーティングした低放射膜です。 Low-e膜は、断熱効果の向上はもちろん、日射の暑さを反射する形でカットする遮熱効果を発揮します。 夏場の暑さやエアコン効率を考えた場合、Low-e膜は、とても重要になります。 今、ペアガラスが入っている窓だとしても、Low-e膜がないものだと一枚ガラス同等に日射熱が入ってしまい、 逆に一枚ガラスより断熱性能がある為に保温する効果で一枚ガラス以上に暑さをため込んでしまいます。 よって一枚ガラスよりも夏場暑いお部屋になってしまうのです。 - ポイント2 建物のサッシに合ったものを選ぶ
戸建て住宅であれば住宅用サッシと呼ばれ、アタッチメント付きのペアガラスから真空ガラスまで様々なタイプを施工できます。 ただし、選ぶ時には窓ガラスの防音性能の問題や断熱性のスペック、網戸の干渉問題など注意が必要です。 一方マンションの場合には、管理規約上アタッチメント付きタイプはダメな事がほとんどですので、 真空ガラススペーシアやペアスマートが適合商品になります。 - ポイント3 結露レベルに応じたガラスを選ぶ
建物の種類(戸建て、マンション)、条件(間取り、家具の配置、住まい方)、結露の発生量によってその結露を解消できるガラスは限られます 。各社の断熱ガラスのカタログにはその断熱ガラスの結露が発生する耐久条件(例えばマイナス5℃まで結露が発生しない)など、 机上の理論がうたわれているのですが、これはとても環境のいい場合での耐久条件であり、 私達の住んでいる、住まいの窓環境とはだいぶ条件が違うとお考えください。
木造戸建住宅に必要なペアガラスのスペック
最低ライン U値2.60W/㎡K以下
人気の適合ペアガラス 窓ンナ、ペヤプラス、真空ガラススペーシア
マンションに必要なペアガラスのスペック
最低ライン U値1.95W/㎡K以下
人気の適合ペアガラス ペアスマート、真空ガラススペーシア
特に結露の酷いマンションにおいて、結露対策を目標とした窓の断熱リフォームをする場合には、 真空ガラススペーシアのスペックが必要です。
窓ガラスが結露する条件として、間取りや窓周り環境などが大きく影響することも踏まえて考えますと、真空ガラススペーシアの性能は圧倒的であり、結露問題を解決できる唯一のガラスであるという事ができます。